ワールドシンキングデー

全世界のガールスカウト・ガールガイドが2月22日に行なう共通の行事

ワールドシンキングデー2011テーマ

~少女が力をつければ、世界を変えられる~

日時 : 平成23年2月20日(日) 18:30~20:30
場所 : 名古屋メルパルク
講師 : 松田照美氏 (人材育成コンサルタント、名古屋学院大学講師)
主催 : ガールスカウト愛知県支部

講演 : 1.日本社会の男女格差(ジェンダーギャップ)。
      2.日常のことばによる男女区別や差別。

1.日本の男女格差について、統計からは基本的な人間生活(進学率、識字率、平均寿命、国内総生産、妊婦死亡率、女性議員率、女性就労率)において、177ヶ国中10位台と高い水準を保っている。しかし、社会的な立場になると一変する。即ち、経済への参加と機会(能力レベルと給与レベルの不平等など)や政治的な権利(国会議員・閣僚の在籍年数など)等において、134ヶ国中94位と大きく後退し、日本では成人女性の能力を充分に発揮することができない社会の現状を表している。

2.言葉による男女差別は、子どもの教育に関わる団体にとって、大切な課題である。
男性のみの表現(少年法、青少年、青年、父兄、サラリーマン、オンブズマンなど)
男性が先の表現(男女、夫婦、夫妻、父母、弟妹など)
女性のみの表現(女性監督、女子アナ、女医、女性社長、婦警、女性自衛官、女流棋士、女流文学賞など)

男性表現は昔からの慣習が多い。女性のみの表現は極最近であり、女性を尊重しているスタイルに見えるものの好ましいとは感じない。

次に、日常のことばとして、小学生のころはほとんど男女差がない扱いを受けていても、女の子が思春期になると「女らしさ=思いやり、相手を尊重する」などを求められるようになり、「女の子だから・・」「女のくせに・・」と制約されることがある。結果、「どうせ女なんだから・・しても仕方がない」と達成のジレンマに陥り、自己抑制につながることにもなる。
「男女に差はない、差をなくそう」と言いつつ、子どもに対する大人の言葉や行動に矛盾が生じている。

<大人が注意する点>
・年長になるに従い、大人側が男女差のない首尾一貫したことばで接する。
・子どもの成長に合わせて、指示的行動(一方向コミュニケーション)から支援的行動(双方向コミュニケーション)への適切な切り替えを行なう。
  一方向コミュニケーション(事前の説明→やって見せる→経過のチェック)
  双方向コミュニケーション(認める→話を聴く→考えさせる、任せる→励ます)
・幅広い視野から情報の提供をする。(世界は・・、社会は・・、世の中は・・、スカウトは・・など)

凡そ、以上のような内容であった。

このテーマは相当に難しい。何故なら、日本に「男女共同参画社会基本法」ができて既に十年以上、男女雇用機会均等法に至っては二十五年以上前にできている。特に男女共同参画事業については、毎年莫大な税金も投入され、様々な企画立案がなされ実行されている。それにも拘らず、旧態依然として大きな変化はあまり見られない。
これからの日本にとって重要な課題であるだけに、通り一遍で済まされない気がします。

ガールスカウトは、百年も前から女性の自立を目指し、リーダーシップの育成を目標に活動している。しかし、女性だけがいくら頑張っても、男性中心の社会に割り込めない現実があるのではないだろうか?この講演会にもボーイスカウト関係者が何人か御出席いただいていた。そして感想に「自分のことばについても思い当たる節があった」「今は男女が逆転していることもあるのでは?」とのご意見を述べられた。
女性が力をつけても女性中心の社会になることはあり得ない。草食男子、肉食女子と言われますが、みんながそうではないはず。肉食男子も草食女子も居て、それが個性と言えるでしょう。男女の区別なく人間としての能力を素直に認め適材適所に登用し、お互い協力できる世界になれば良いと思うのです。
男性中心のボーイスカウトこそ、率先して男女差別のない社会に向かうべくお力を貸して頂くことが、より近道のような気もします。

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