ピースパックプロジェクトとは?

丁度、良い機会と捕らえ、ピースパックプロジェクトについてもう一度おさらいしてみたいと思います。
以下はガールスカウト日本連盟の活動の手引きから抜粋しました。

ピースパックプロジェクトは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との共同事業です。 「子どもの教育を切り口に、世界平和に貢献しよう」というガールガイド・ガールスカウト世界連盟の「平和提唱」の実践活動の一つとして1993 年に始まりました。

当初、日本をはじめ、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、ペルー、アメリカなど36 連盟がピースパックを作成し、それぞれ異なる国の難民に送りました。

このプロジェクトは、ピースパックを受け取る人たちにとって教育的な支援となり、また、ピースパックを作る人たちにとっては、難民の子どもたちのおかれている状況を知り、難民が発生する悲劇を防ぐにはどうしたらよいかを考え、人が平和に生活できる世界を作るために一人ひとりが努力する体験となります。ピースパックプロジェクトにかかわることが「世界のことを考える」きっかけとなり、実際に文房具やメッセージをピースパックという小包にして難民の子どもに届ける過程を体験するのです。

日本におけるピースパックプロジェクトは、当初予定の3 年間の区切りが終わった後も継続し、年を経るごとに、ガールスカウトだけではなくたくさんの人が協力してくれるようになり、地域へ広がっていきました。日本連盟は、ピースパックプロジェクトを2004 年までの10 年間継続し、UNHCR からの感謝の盾をいただきました。

【ピースパックの贈り先 ~ミャンマー難民に贈る理由~】
2007 年現在、アジア・アフリカ・中南米など世界中で3300 万人以上の難民が発生しています。では、どうして私たち日本のガールスカウトは、タイ国内のミャンマー難民をピースパックの送り先に選んだのでしょう?ピースパックプロジェクトのパートナーであるUNHCR とガールスカウト日本連盟は、次の3 つの条件を満たすことから送り先を決定しました。

1.アジア・太平洋地域にある難民キャンプ
(=同じ地域の仲間を励ますこと、輸送費用が高額にならない場所)

2.現地で配布に立ち会い、モニタリングができる、安定した難民キャンプ。レンジャースカウトを含む派遣団を派遣することができる難民キャンプ(=距離・所要時間、費用的に会員を派遣できること。現地の政情が安定していること)

3.UNHCR のスタッフの協力が得られる場所
タイのミャンマー難民は、アフガン難民に比べて、衣食住の必要最低限の生活物資は提供されているといわれています。では、私たちがあえてミャンマー難民のキャンプにピースパックを送る意味はどこにあるのでしょうか?

タイのミャンマー難民キャンプでは、原則として就労は許可されていません。難民の一時受け入れ国(庇護国)にとって、外国人である難民にどのような権利を与えるかというのは大きな問題です。ミャンマー難民を受け入れているタイ、アフガン難民を受け入れているパキスタンなど、庇護国の生活自体が決して豊かではない場合も多いのです。そのような状況の中、外国人である難民に行動の自由や、働く許可を与え収入を得るようにすると、難民キャンプの周辺に住む貧しい自国民が不満を持つことになりかねず、また、難民がそのまま居ついてしまうのではないかという恐れを、庇護国(この場合はタイ政府)がいだくのです。
このように、難民であるということは、ある程度の援助を受けることができる一方で、そういった「制限」が絶えずついてまわるということを示しています。さらに厳しいのは、たとえ、最低限の生活物資や、学校教育を受けられても、閉塞感(=将来の見通しや夢を見ることが難しいという現実)があることです。これについては、タイのミャンマー難民キャンプに派遣された第1 回(平成17 年度)および第2 回(平成18 年度)派遣団からも報告されています。

日本から届いたピースパックに入っているメッセージカードは、ミャンマー難民の子どもたちに大変喜ばれたそうです。ピースパックは、私たちの心を運ぶ手段として重要な役割を果たしています。ピースパックは、ミャンマー難民の子どもたちに「自分たちを思ってくれる人がいる」と感じてもらえるだけでなく、ガールスカウトの少女たち(もちろん、大人も)が、同じ地球上に存在する現実や起きている出来事、それらの原因を知るきっかけ、自分の生活をふりかえるきっかけになります。そして、ミャンマー難民に贈るピースパックを準備するというこの活動は、地球規模の課題(Global Issue)にどのように向き合っていく(=世界市民としてどうかかわっていく)のかを考え、世界市民として行動するきっかけの一つとなるでしょう。


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